第9回:今どきシニアの食生活 前編(70代編)

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しています。

第9回は、今どきシニアの食生活(70代編))をお届けします。

シニアの食生活調査というと、官民様々な調査データがありますが、
多くの調査は「60歳から80歳」という広い範囲を対象としいて、
シニアライフデコーダー的にはざっくりした調査に感じられますので、
参考程度に捉えています。

子育て経験のあるママであれば、
「赤ちゃん」「ベビー」というくくりで我が子がざっくり語られることぐらい
乱暴で理不尽なことはない!と一度は思ったことがあるはずです。
「ベビーでひとまとめは辛い。年齢で分けられるのもちょっと辛い。
 できれば月齢別に対応して欲しい!」と思いますよね。

シニアも同じです。

多くの人にとって、シニアとはひとくくりにはできません。

60代は50代の続き(だから私はまだ中年)、
70代前半は60代後半の続き(だから私はまだ中高年)、
75歳前後になって”老い”と向き合い(そろそろ乗り物の席は譲って欲しいわ)、
80代前後はひとつの峠を越え(元気の有り難みがやっと分かるお年頃)、
80代中盤でやっと高齢者の仲間入り。
90代前後になってやっと100歳オーバーの人を敬えるようになった。

と、いうように、
5歳刻みくらいで心身ともに変化します。

ですから、今回のブログでは、
シニアライフのうち”70代”にフォーカスして
今どきシニアの食生活をご紹介いたします。

女性なら70代前半から、男性ですと70代半ばから
夫婦世帯にも個食化が進みます。
(その理由は次回のブログで詳しく触れます。)
結果、単身世帯と夫婦世帯の食生活の差異が少しづつ縮まり、
世帯間ギャップはあまり考慮しなくて良くなります。

それでは、70代シニアライフの食生活を見て行きましょう。

70代シニアは食生活は、嗜好の男女差が際立つようになります。

男性には「食生活の若返り現象」が起こってきます。
甘辛い味付けをより好むようになり、お惣菜を購入する機会も増加します。
生理学的な味覚の変化も起こってきますが、
男性特有のノスタルジー志向も大きく影響しているようです。
とは言え、生活習慣病も気になるので、
免罪符となることを期待して健康食品やサプリメントも好んで買うようになります。
お惣菜やカップ麺などを好み、サプリメントで栄養補給という、
イマドキの独身男性のような食生活に逆戻り。
オープンデータのご紹介はできないのですが、スーパーに行って頂ければ、
お惣菜を買っている高齢男性のひとり客がとても多いことに気づかれるでしょう。

女性はよりヘルシー志向へ向かいます。
より粗食に、より薄味に、よりさっぱりと。
味覚劣化の性差については、
嗅覚が関わることだけに実は科学的に解明されていないことが多いのですが、
もともと「美味しいものをちょっとづつ色々食べたい」という女性に特徴的な志向が
より強くでてくるようです。
「からだに優しい」というだけで「美味しく感じる」とか
心の満足が旨味として作用するという女性らしい感受性の豊かさも
彼女達をより粗食へ、より薄味へと導きます。

食品の購入先は、日常的にはどちらもスーパーですが、
いわゆる「お取り寄せ」に関しては男性の方がより多く利用しています。
1食150円〜200円もするフリーズドライの味噌汁や、
1箱4000円〜5000円するかまぼこや干物をお取り寄せするのは「じいじ」の仕業(と、妻は言ってます)

一方女性の「お取り寄せ」は調味料が多いのが特徴です。
シニアのトレンド調査によると
1本3000円〜4000円する産直オリーブオイルや出汁類が人気です。

情報の入手先は、購入初回では、最終的にはチラシと新聞広告。
新聞広告の影響がまだまだ強いのが70代シニアの特徴です。
情報の入手先での性差はあまりなく、
70代になると男性であってもスーパーのチラシはよく見られています。
ただし男性の場合は、スーパーのチラシであっても価格よりも「欲しいもの(目新しいもの・好物)が出ているかどうか」に注目しているようです。

ポイントは、
「夫と妻との好みが違ってもどちらか一方が相手の好みに合わせて夫婦で同じものを食べる」時代からお互いが卒業して、お互いが好きなものを買い、別々のものを食べる機会が増える。つまり個食化が進むという点でです。

それは、今までご紹介してきた嗜好性の性差の他に、
健康上の問題(ナトリウムやカリウム・糖分などの制限や、咀嚼や嚥下の問題)でやむを得なくそうしている場合もあります。

ここで改めて考えてみると、
自宅で生活している夫婦は、するしないは別として、
お互いに好きなものを食べられる自由があるわけですが、
高齢者施設や病院では食の好みの性差に対する配慮まではなかなか実現が難しく、
好きなものを買い、好きなものを食べることが叶わないシニアライフ。
切実ですねえ。

(後半へつづく)
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次回は、
「今どきシニアの食生活 後編(70代編)」をお届けします。
お楽しみに!!

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