第11回:シニアへの”おもてなし”を通販に学ぶ

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しています。

第11回では、シニアとの良いコミュニケーションを築くために、
企業がどんな”おもてなし”を実施しているか、ご紹介いたしまし。

私ごとですが、
先日母から
「夜中に家の電話が鳴ったので、何事かと思って出てみたら、
 お父さん宛の電話で、通販会社からだった。」と聞きました。
母の言う「夜中」が何時を指すのかは大変曖昧ですが、
とにかく母の就寝時間後であったことは間違いないようです。
父に尋ねてみると、夜に注文をした内容に不備があったそうで、
その確認電話だったとのこと。
父の注文に対する「即レス」が母をぴっくりさせた原因でした。

そこで、シニアに人気のある通販会社の
電話でのお問い合わせ・ご注文受付時間をホームページで調べてみました。(順不同)

ジャパネットたかた
(http://www.japanet.co.jp/shopping/)
:年中無休・24時間受付

世田谷自然食品
(https://www.shizensyokuhin.jp/)
:07:00〜22:00

日本ローヤルゼリー
(https://www.nihonroyaljelly.com/index.html)
:09:00〜22:00

再春館製薬所
(http://www.saishunkan.co.jp/domo/)
:08:00〜22:00

山田養蜂場
(http://www.3838.com/)
:08:00〜21:00

日本直販
(https://www.666-666.jp/)
:09:00〜21:00

やずや
(https://www.yazuya.com/index.html)
:09:00〜20-:00

サントリーウエルネス
(https://www.suntory-kenko.com/)
:09:00〜20:00

どの通販も実店舗と比較してお客様対応時間が特別に長いというわけではなさそうです。

実際に高齢者の方々は通販をどのように利用しているのかヒアリングしてみました。

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(1)60代前半女性:
通販は、あらかじめ商品を知っているものを検索して利用することが多い。
お店で見たり、TVで見たり、友人や娘に聞いたりして、
価格を比較するためにネットで検索。
送料無料ならネットで買っちゃおうかなという気持ちになる。
ネットを見るのは午前中(朝食後)か夕食後。
食後の片付けが一段落してから次に何かするまでの時間に
チラッと見るつもりがハマってしまうパターン。
夜は睡眠時間が削られちゃう(眠れなくなっちゃう)ので我慢。

注文にかかる時間は10分もかからない。
Tカードや楽天カードが使えるところだと入力が少なくて便利。
買おうと決めたらすぐできる。ポイントも貯まるので結構馬鹿にできない。
購入前に質問することはあまりない。
クレジットカード決済なので支払いに不便はないけど、コンビニが一番安心できて便利。
クレジットカードは安全面で大丈夫かな?とは思う。
返品することは少ない。
初めてのものを買うことは滅多にないから。

(2)70代半ば女性:
通販は新聞広告を見て興味を持つことが多い。
興味がある商品の広告はよけておいて、少し考える時間を持つ。
家族(夫以外)に相談したりして決めるまで何日かおいておく。
注文電話するのはお昼過ぎが多い。おやつの時間。
初めてのお店だと個人情報を細かく聞かれるが
配送に必要な最低限のことしか答えたくないので答えない項目もある。
買うと決心したら
注文番号や送ってもらう日など準備万端にしてからやっと電話をするので
注文に要する時間は短い。3分から5分くらい。
そこのお店が初回じゃなければ全部登録済みだから何も面倒なことはない。
でも新しいもので質問がある時は結構話す。
5分くらい、もっとかな。アレコレ聞いちゃう。

支払いは後払いがほとんど。
商品と一緒に振込票が届くので、それを持って振込みに行く。
コンビニが良い。銀行は街まで行かないといけないから。
衣料品などはイメージが違うと返品することもある。
今はどこも返品もすぐ受け付けてくれて感じが良い。
返金もスムーズなので気楽に買えて良い。

(3)80代男性:
通販は新聞広告を見て興味を持つことがほとんど。
購入するかどうかは、フリーダイヤルに電話してみてから決める。
フリーダイヤルなので割と気楽にかけている。
色々説明してもらって、大丈夫そうなら買う。みんな親切。
ゆっくり買えるので良い。

電話をするのは早朝かお昼前が多い。
朝はお店に買い物に行くことが多いので、通販に電話をするのはそれ以外。
通販以外の買い物(スーパーなど)は開店時間を選んで行く。
朝だと品物を棚に並べている店員さんが多いので
聞きたいことを店員さんにすぐ聞けるので便利。

通販で便利だと思うのはお店に出向かないでも良いところ。
店員の人が忙しそうにしていないところ。
大きいものや重いものや
スーパーに売っていないようなものは通販を利用する。
通販なら使い方をいつでも何度でも質問できるのも良い。

注文に要する時間は15分くらい。色々相談してから買うか決めるので。
支払いは代引きが便利なのだが、
最近は受け取り時間を選べなくなったので不便に感じるが仕方ない。
返品はしない。面倒だから。悪いし。

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少ないヒアリングではありますが、
60代前半女性は40代と言い換えても違和感のない回答です。
通販には「お得さ」を求めているのも良くわかります。

70代80代になると「お得さ」よりも
「店員さんとゆっくり話せること」にベネフィットを感じています。
確かに昨今の実店舗の接客は慌ただしく感じます。
スタッフの数が少ないので、店員さんを5分も引き止めておくのは気が引けます。
その点、何分でも話しをじっくり聞いてくれそうな(実際に聞いている)慌ただしさを感じさせない接客をしている通販は、
”シニア向けのおもてなし”のお手本になりそうです。

営業時間はどうでしょうか?
実際のところ、シニアの注文件数のピークは午前10時ごろと夜8時ごろの2回が多いとのことですが、ゴールデンタイムと言える程のものではなく、他の世代と比較してゆるやかです。
営業時間が長いことのメリットは、消費者の購買意欲のピークを逃さないことよりも、
信用獲得にあるように思います。
使っていて困ったら即その時にお店に電話で聞くことができる。
いつでも答えてくれる人がいるという安心感が、
シニアからの頼れる存在としての評価に繋がっていると想像できます。

人気通販に学ぶシニアへのおもなしポイントは、腰をすえた接客と即レス。
時間こそが高付加価値となりうるといったところでしょうか。

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次回は、
「銀座の小学校の制服問題・シニアの感想あれこれ」を
シニアデコーダーがマーケティング視点でお届けします。
お楽しみに!!

シニアライフデコーダーについてのお問い合わせは
コチラ↓から承ります。
http://office-hana.info/inquery/

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