第29回:アクティブでないシニア向けサービスの改革 ”ナースから起きている波”

来年は「家族ニーズ」オンリーだった看護介護状態にあるシニア向けサービスに

「本人ニーズ」のサービスが加わる萌芽期、と書きました。

 

今回は、その波がどこから起こるか・・について触れていきます。

 

「本人ニーズ」の波は、ズバリ!看護師さん達から起きています。

 

シニアが介護状態に入るということは、

病気を治して社会復帰するということが難しくなったということで、

そうなると、医療の主役は医師から看護師に移ります。

 

訪問ケアチームが組まれ、患者は定期的なケアを受け、

なるべく長い間現状維持ができるように支援されます。

 

医師ももちろん参加しますが、

家族の次に頻繁に接するのは多くの場合、介護チーム、そして訪問看護チームとなります。

 

病院と違い、自宅療養中のケアでは、

一定の時間(30分間とか60分間)は、

患者とケアをする人が向き合う1対1の時間になります。

 

これはマーケティング的には注目スべき重要な点です。

定期的にクライアントから1対1で情報収集できる環境なわけですから!

 

例えば、

紙オムツの品質向上を目的にアンケートを取るとするなら、

今までは「価格・利便性」といった「家族ニーズ」が強めに収集されてきました。

患者が直接アンケートに答える環境になかったからです。

 

しかし、訪問ケアのように定期的に長い時間1対1で向き合うという信頼関係が構築されやすいケア中の対話で収集される情報の場合、

価格や利便性よりも「つけ心地・肌の状態」といった本人の感情にフォーカスされた情報、

つまり「本人ニーズ」がクローズアップされるでしょう。

 

 

そして、在宅看護師のケア意識にもチェンジが起きています。

今まで医師のアシスタントに過ぎなかったナース達がケアの主役に躍り出ることで、

「患者さんお一人おひとりに寄り添ったケアをしたい」という本来彼女達が持っていた資質や才能が発揮されやすい環境になりつつあります。

 

ナースの資質については当然個人差がありますが、

今、多くのナース達が西洋医学の他に、東洋医学や、

アロマテラピーをはじめとする代替療法を自主的に学び

”私のケア”に役立てようと試行錯誤する時代になっています。

 

超高齢社会になった今、

わがままを言わす黙ってありがたくお世話されていた「お年寄り」という時代から、

訪問ケアチームと患者さんが1対1で向き合う「ともにあゆむ」時代へと以降しつつあり、

それはつまり「家族ニーズ」だけでなく「本人ニーズ」も満たす時代への萌芽と言えるでしょう。

 

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