「ていねいな暮らし」と「オーガニック」と「無理しない家事」

主婦だけでなく、シングル女性にも人気な「ていねいな暮らし」。

働く女性の情報サイトマイナビウーマンの調査(https://www.mynavi.jp/news/2017/07/post_14482.html)では、
「働く女性に対して「丁寧な暮らし」に憧れますか?と聞いたところ、過半数の55.6%の人が「憧れる」と回答した一方で
「丁寧な暮らしが実際にできている」と回答した人はわずか12.3%となりました」とあります。

実感値ではありますがこの結果はハナモニターの主婦層においても近似値であるように予想され、
ていねいな暮らしに対するポジティブなイメージ(憧れ)に世代間や職の有無によるギャップはないように思われます。

女性が憧れる「ていねいな暮らし」。
しかしここにも「オーガニック」というワードと同じように
好感度は高いが実売(行動)が伴わないという現象が見てとれます。

マイナビウーマンの調査報告は「丁寧な暮らしができない理由」として
「生活と心のゆとりが持てていない」ことが挙げらており、
さらに、
有職の女性は丁寧な暮らしに憧れる一方で、
”あえて家事を(ちゃんと)しない”という選択をして「ゆとり」を獲得しようとする新しい価値観も登場し、
それに共感する女性が増えていると結んでいます。

男性陣にとっては、
「ていねいな暮らし」の実現と「あえて家事をしないという選択」は相反するのでは?矛盾してませんか?とクエスチョンマークがたくさん点灯してしまうかもしれませんが、
女性の脳はすんなりナチュラルに許容でき、一見相反するように見える価値観をハイブリッドに採用し暮らしを楽しむことが可能です。
(生物学的に脳のスペックに性差があると言われています)

しかし、「僕たちには理解できない」と思考を止めてしまってはなりません。

むしろ、マーケティング視点を持つならば、
消費者からの好感度も高く、高付加価値商材であり、ポテンシャルは高いのに眠れる市場である「オーガニック」に活路を見出せるかもしれない新しい価値観の登場を歓迎すべきです。

ベビーを育児中の主婦から、こんなつぶやきが出ています。

「泣いている娘に、「ごめんね、待っててね。」と謝りながら、手作り離乳食をつくり、掃除機をかけ、布オムツを洗い、頑張ってきたけど、それって娘とのんびりと笑顔で過ごす時間より優先すべきことなのかな。。。」

従来型の理想の母親像を壊すかもしれない彼女たちを社会が許容しなければ、
日本のオーガニックは永遠に憧れ・理想のまま。
市場は眠ったままでしょう。
欧米との差は広がるばかりです。

夕飯をお弁当してできた余裕が、オーガニックを買うスイッチを押すと理解すれば、
コミュニケーションのあり方も変わるはずです。

その延長線上に、日本のオーガニック市場の拡大があると考えています。

(は)