第17回:”駅近ホテル住まい”がコンセプトの老人ホームで、地域経済は活性するか?

先日 、NHKを観ていたらこんなニュースが流れていました。

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静岡・まちの中心部に老人ホーム・その狙いは

(出典JCCテレビ全てより:https://jcc.jp/news/13436774/)

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映像を見ると、駅前の一等地にホテルライクな高級老人ホームを建てて、お金を持っているアクティブシニアに移住してもらうことで市の経済を発展させたいという内容になっていました。

この老人ホームは静岡市にとっての豪華客船「あすか」になれるのか?はたまた「タイタニック」になって沈むのか?という問いかけのようなニュースに思えました。

静岡市の試みは、成功できるでしょうか?

市民にとってメリットがあるほどの”町の経済発展”を老人ホームに期待するならば、ホームの住人にはいつまでも元気でいていただく必要があります。

そうであれば、ホームに住まれる方のQOLアップと体力維持を最優先に考えるべきです。

しかし、施設の青写真を拝見したところ、建物の形状は平屋でなくてビルタイプ。。。 そこにまず一抹の不安を覚えました。

高齢になって高層階に住むことは、若い人と比べてマイナス面が多いもの。体力的なことだけでなく、メンタルもにも大きく作用します。

ソフト面での成功の鍵は、名店街事務局長のおっしゃる「地域住民とホーム住人の交流」がどれほど活性化できるかにかかっています。

ホームの住人をお客様としておもてなしするだけではシニアの満足は得られません。旅行ならまだしも、「安心」と「おもてなし」だけで人は元気を維持できません。むしろ、どんどん衰えていきます。

衰えたシニアはお金持ちであっても、消費の決定権は遠方に住む家族に移行します。こうなると静岡市にお金が落ちることはあまり期待できません。

いつまでもアクティブでいるためには、好奇心を刺激する何かが必要です。

若い世代と混じって何かを企画するために議論したり、運営に加わって体を使う。

お金を払っても体験したいエンターテイメント・芸術が身近にある。

新しいもの、珍しいものに触れることができるお買い物の楽しみがある。

季節を感じるアクティビティや没頭できる趣味を自ら選択して消費できる。

社会貢献していると実感できる組織に属したり活動することができる。

 

こういったことが刺激になり、QOLを高い状態に保つ要素になるのです。

シニアに元気でいてもらうには、医療・介護がそばにあるだけでは不十分。

それをどこまで用意できるのかが、成功の鍵となるでしょう。

 

静岡市の試みが成功することを切にお祈りいたします!

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