シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。
シニアライフデコーダーのお仕事について解説いたします。
第1回目では
「シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」の役割」についてお話しいたしました。
詳しくはこちら → シニアライスの翻訳者「シニアライフデコーダー」の役割
第2回目では、「シニアライフをホリスティックに理解する」です。
まずは、「シニア」とはいったい誰を指す言葉でしょうか?
ここから考えてみましょう。
日本の厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」では、高齢者を下記のように説明しています。
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高齢者
65歳以上の人
国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人のことを高齢者としています。
65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。
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出典:e-ヘルスネット(原文ママ)
この文が示すように介護保険制度は65歳以上から利用できるようになります。
(一部40歳から利用可能)
では国が65歳以上を高齢者と決めているのでしょうか?
これが違うのです。
道路交通法では、高齢運転者標識(いわゆるもみじマーク)は
70歳以上から自主的に75歳以上からは必ず付けなさいとあります。
厚生労働省の見解とは5歳〜10歳の開きがあります。
一方、ビジネス(マーケティング)では何歳からを
高齢者(シニア層)と呼んでいるでしょうか?
これは実に様々。
なんと50代以上は「シニア」に分類してしまう一派(著者が50代ですのでこの表現になります!)もいれば、
厚生労働省にならって「65才以上」と決めている会社があるかと思えば、
「いやいや、高齢者=シニアではない。(購買行動が)アクティブかどうかで分類すべき!」と主張する人もいます。
たいへん曖昧・・・。
では、実際の65才以上の人々は、
「シニア」という言葉をどう捉えているでしょうか?
”孫ができたらシニア世代の仲間入り”でしょうか?
電車やバスで席を譲られたらシニア?
「シニア特典を使うときだけシニア」というのは我が母(75歳)の意見。
これも中々一括りにはできません。
シニアをマーケティング的にどう定義するか?
いろんな視点がありそうですが、現状のところ茫漠としているように感じます。
「シニア」と「シニアでない人」を区切るのは
年齢で線引きをすることが最も簡単な方法ではありますが、
「はい、あなたは今日からシニアです。」と誰かに決められるというのは、
自分の身に置き換えてみれば、なんだかあまり幸せはことではないように思います。
多くの男性や、仕事を持つ女性なら
「長年続けてきた仕事・お勤めから退いたらシニアかな」と考えている人も多いことでしょう。
もし現役中に、孫が生まれたり、65歳のお誕生日を迎えたとしても、
それは単なるプライベートな変化であり、
社会的になシニアとは呼べない・呼ばれたくないという感覚をお持ちの方がほとんどです。
そして、いよいよ現役を引退する日を迎えたとしても、
「これからシニアライフが始まるのだな」という感覚を持ったにすぎず、
「今日からシニア」とは思っていません。
90歳の老人と「シニアライフ1年生」の自分が
社会的に同じカテゴリに入れられたとはゆめゆめ思ってはいません。
専業主婦は一生現役ですから
現役時代とシニアライフの境界線はいつまでたっても現れません。
「シニア」と「シニアでない人」の線引きは大変困難です。
でもそれで良いのです。
なぜならビジネスにおいてシニア向けサービス・商品を考えようとするとき、
年齢的な線引きはさほど重要ではないからです。
(その理由はまた別の機会でご説明いたします。)
シニアかどうかの判断は、その都度お客様自身に委ねて良い。
それを前提にシニアが快適に使える商品とサービスを考案します。
シニア自身が年齢を物差しにはしていません。
では彼らが「自分はシニアなのだ」と感じるのはどんな時でしょうか?
議論を茫漠とさせないために、
シーンをスーパーでの買い物に絞って
ハナモニターにヒアリングしてみました。
・欲しいものが見つけにくいとき
・お惣菜を見ても食欲がわかないとき
・品揃えや提案が若い人向けだな・・と寂しく感たとき
・賑わった店内はせわしなく感じて居心地が悪いと思うとき
・値札の文字が見えづらく読むのに時間がかかっているとき
・お店の仕組みやキャンペーンの応募方法などが理解しずらいとき
・商品選びやレジなどでテキパキ動けないとき
ざっと挙げてみたコメントですが、読み込んでみると、
加齢に伴う身体的な変化(衰え)を実感したときや
現役世代のスピード感についていけないと感じたときに
「シニアになった」と感じていることが分かります。
そして重要なのは、
シニアライフでは、
上にあげたような「居心地の悪さ」がスーパーに限らず、
銀行でもデパートでも、病院や図書館、鉄道やバスなど
行く先々に広がっていくという状況に向き合わなければなりません。
ですから、
高齢者であっても
上記のような「居心地の悪さ」を感じさせない快適な場所・サービス・商品を
彼らは「お年寄り向き(シニア向け)」と位置づけ重用します。
ファミリー向けに設えられた施設の一角をシニア向けコーナーにして「お年寄りに売りたい商品」だけを集めてみても、
”わたくしごと”と受け止めるお客様はおそらくいないでしょう。
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次回は、
「シニアライフをホリスティックに理解する(後編)」を
シニアデコーダーがお届けします。
お楽しみに!!
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