第20回:「敬老の日」をどう捉えるか。

敬老の日は、長老を敬愛し長寿を祝う国民の祝日。

なのですが、実際の敬老の日の主役は「孫と祖母」です。

孫から祖母にギフトを贈るのが、敬老の日らしいあり方になっています。

ほとんどの幼稚園・保育園には敬老の日に向けて、園児に祖父母へ贈る絵を書かせたり、お歌をプレゼントする時間が設けられています。

最近首都圏では、結婚した娘と母親(妻の実母)が近居して、娘の子育てを娘の実母が手伝う「外孫育て」が増えており、核家族であっても孫の園行事に祖母が出席することが珍しくなくなりました。

孫が小学校に上がると、敬老の日のギフトは「電話」になります。孫が祖父母に元気な声を聞かせてあげることが贈りものです。

中学校移行になると、敬老の日は孫達にとって重要な日ではなくなります。敬老の日はしばし忘れ去られます。

そして孫達の就職・結婚・出産をきっかけに「敬老の日」に祖父母に何かギフトをを贈りたいという気持ちが復活することが多いようです。

就職・結婚・出産は女性ライフステージの節目です。

孫が大人になってからの「敬老の日」の復活は、特に女性に多くみられるようです。

「敬老の日」は孫が大人になってはじめて、消費を伴う行事になります。

”祖父母のためにプレゼントを買う”とか”三世代または四世代が揃って外食をする”などが消費の上位です。

しかし「敬老の日」の消費は、母の日のように毎年の恒例行事にはなっていません。先程挙げた孫のライフステージの節目、祖父母の喜寿や白寿といった節目の年にされることが多いようです。

母の日ギフトには「嫁の勤め」の側面がありますが、敬老の日には義務が伴わないからかもしれません。

では、マーケティング的にはこの「敬老の日」をどう捉えたら良いでしょうか。

どうやら大きな消費はなさそうです。ハナのモニターさん達からも「なんにもいらない・欲しくないと言われるから、ギフト選びに苦労する」という声をよく聞きます。

実際送ったギフトを聞いてみても、グリーティングカードや肌触りの良い布小物などが人気で、旅行や衣料品といった大型消費に結びつきにくいように思われます。

敬老の日にお金を使ってもらうには・・・。という命題にはどう答えたら良いでしょうか。

なかなか難しい問題です。

もしかしたら、素敵なギフトカタログを作るよりも、敬老の日は「わたしのルーツを確認する日」といったスピリチュアルな視点で「孫と祖父母が語らう時間」の重要性を啓蒙する方がよいのかもしれません。販促よりもブランディングです。

 

明るい色のお洋服を着て、私のルーツ会いに行こう!

とか。

みなさんは、どう思われますか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です