第12回:銀座の小学校の制服問題・シニアの感想あれこれ

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しています。

第12回ではショートコラムをお届けします。
テーマは「銀座の小学校の制服問題・シニアの感想あれこれ」です。

「東京・銀座にある中央区立泰明小学校が実質的な制服に当たる標準服に、イタリアの高級ブランド「アルマーニ」監修のデザインのものを採用。新標準服は最大で8万円を超える場合があり、対象は今春入学予定の新1年生。」

少し前に話題になったニュースです。

世間では賛否両論あったようですが、
NHKのニュースでは「街の声」として、
「親はちょっと大変ですね〜」という声に混じって
高齢男性の「銀座だし、お祝いだから結構なこと。」という意見も紹介されていました。

それを見た女性のシニアモニターさんから
「お祝い金で買えると思っているのだろうけど、制服は一度買って終わりじゃない。
 すぐ小さくなるのよ。それをわかってないから男の人は困るわよ。」とのお怒りの声が。
確かにそうですね。。

小学校入学の孫へのお祝いの相場について調べてみました。

ベネッセの教育情報サイト↓では、
http://benesse.jp/kosodate/201608/20160822-1.html
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お祝いの品の相場は?
お祝いの品の予算は、甥や姪に贈る場合は5,000円程度、孫に贈る場合は1万円程度が相場と言われています。現金を包む場合も同じくらいの金額を目安にしましょう。なお現金を包む場合は、縁が切れてしまうといわれる割り切れる数の「2」、「死」を連想させる「4」、「苦」を連想させる「9」などの数字を避けるのがマナーです。
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とありました(小学校の入学祝いについてです)

実際にハナモニターさんに聞いてみると聞いてみると
「3万円」「5万円」「10万円」という方も多くおられました。

「進学校や名門小学校への入学は特別に奮発する」や
「ランドセルや机などを買ってあげているし、お祝いの食事会も負担するので、
 現金はお小遣い程度にしている。」といった声もあり、金額はまちまちです。

ある金融機関調べの「孫への入学祝いは小学校で平均38000円」というオープンデータもありました。

両家の祖父母と叔父叔母・親戚からのお祝いでアルマーニの制服を一揃えできるかと言えば、
泰明小学校が公立であることを考えると、微妙なラインかと思われます。
ただニュースになったことで、孫へのお祝い金増額スイッチは押されているはず。

なのですが。

「エルメスとシャネルに断られてアルマーニになったというのが情けない。
 銀座らしくというのなら、和光とか三越もいいけど(実際は松屋の取り扱いのようです)、
 銀座に昔からある日本のテーラーに頼むべき。
 日本の匠を応援するという大義があれば、私が喜んでお金を出す。
 とは言え、制服は一着買って終わりではないので負担には感じる。」とは80代女性のご意見。

「公立小学校なのだから、アルマーニである必要性はない。
 着替えもあることだし、親の負担はかなりのもの。
 親の収入格差を肌で感じさせるような環境に、小さい子供を置くべきではない。」と憤るのは70歳女性です。

女性陣からは肯定的な声はなかなか聞こえてきません。

泰明小学校のアルマーニ制服導入は、児童数減少による廃校を防ぐためのブランディング施策との見方がある一方で、人気のある小学校だからこその入学者選抜策だとの意見も。
真偽のほどはわかりません。その両方かもしれません。

校長は「泰明小学校という歴史ある学校にふさわしい気品を児童に備えてもらうための服育成」と説明しています。制服もまた教材であると。

娘を持つ子育てママには、習い事の発表会などで
「お転婆な娘にドレスを着せたら、急におしゃまなお姫様に変身!
 立ち振る舞いまですっかりエレガントになっちゃってびっくり。」
という微笑ましい経験がある方も多いのではないでしょうか?

泰明小学校の校長が保護者に配布した長文の案内書を読ませていただくと、
「特別な学校を選んだという自覚がないような粗野な立ち振る舞いをする児童」を繰り返し嘆いており、おそらく、校長は”服育”によって児童が銀座にふさわしい気品に目覚めることを期待されているのだと感じました。

しかし、服によるシンデレラ効果とうのは、非日常に起こるのであって、
子供の普段着である制服にそれを期待するのはどうかという気もします。
小学生がアルマーニや9万円といったワードに緊張感を持てるだろうか?
我が子なら、ナイキやアディダス、ディズニーの方がピンとくるのでは?といった考えも湧いてきます。

みなさんはどう思われますか?

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次回は、
「シニアがアルバイトする目的は?」について調査したリンク(anレポート)をご紹介します。

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コチラ↓から承ります。
http://office-hana.info/inquery/

第11回:シニアへの”おもてなし”を通販に学ぶ

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しています。

第11回では、シニアとの良いコミュニケーションを築くために、
企業がどんな”おもてなし”を実施しているか、ご紹介いたしまし。

私ごとですが、
先日母から
「夜中に家の電話が鳴ったので、何事かと思って出てみたら、
 お父さん宛の電話で、通販会社からだった。」と聞きました。
母の言う「夜中」が何時を指すのかは大変曖昧ですが、
とにかく母の就寝時間後であったことは間違いないようです。
父に尋ねてみると、夜に注文をした内容に不備があったそうで、
その確認電話だったとのこと。
父の注文に対する「即レス」が母をぴっくりさせた原因でした。

そこで、シニアに人気のある通販会社の
電話でのお問い合わせ・ご注文受付時間をホームページで調べてみました。(順不同)

ジャパネットたかた
(http://www.japanet.co.jp/shopping/)
:年中無休・24時間受付

世田谷自然食品
(https://www.shizensyokuhin.jp/)
:07:00〜22:00

日本ローヤルゼリー
(https://www.nihonroyaljelly.com/index.html)
:09:00〜22:00

再春館製薬所
(http://www.saishunkan.co.jp/domo/)
:08:00〜22:00

山田養蜂場
(http://www.3838.com/)
:08:00〜21:00

日本直販
(https://www.666-666.jp/)
:09:00〜21:00

やずや
(https://www.yazuya.com/index.html)
:09:00〜20-:00

サントリーウエルネス
(https://www.suntory-kenko.com/)
:09:00〜20:00

どの通販も実店舗と比較してお客様対応時間が特別に長いというわけではなさそうです。

実際に高齢者の方々は通販をどのように利用しているのかヒアリングしてみました。

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(1)60代前半女性:
通販は、あらかじめ商品を知っているものを検索して利用することが多い。
お店で見たり、TVで見たり、友人や娘に聞いたりして、
価格を比較するためにネットで検索。
送料無料ならネットで買っちゃおうかなという気持ちになる。
ネットを見るのは午前中(朝食後)か夕食後。
食後の片付けが一段落してから次に何かするまでの時間に
チラッと見るつもりがハマってしまうパターン。
夜は睡眠時間が削られちゃう(眠れなくなっちゃう)ので我慢。

注文にかかる時間は10分もかからない。
Tカードや楽天カードが使えるところだと入力が少なくて便利。
買おうと決めたらすぐできる。ポイントも貯まるので結構馬鹿にできない。
購入前に質問することはあまりない。
クレジットカード決済なので支払いに不便はないけど、コンビニが一番安心できて便利。
クレジットカードは安全面で大丈夫かな?とは思う。
返品することは少ない。
初めてのものを買うことは滅多にないから。

(2)70代半ば女性:
通販は新聞広告を見て興味を持つことが多い。
興味がある商品の広告はよけておいて、少し考える時間を持つ。
家族(夫以外)に相談したりして決めるまで何日かおいておく。
注文電話するのはお昼過ぎが多い。おやつの時間。
初めてのお店だと個人情報を細かく聞かれるが
配送に必要な最低限のことしか答えたくないので答えない項目もある。
買うと決心したら
注文番号や送ってもらう日など準備万端にしてからやっと電話をするので
注文に要する時間は短い。3分から5分くらい。
そこのお店が初回じゃなければ全部登録済みだから何も面倒なことはない。
でも新しいもので質問がある時は結構話す。
5分くらい、もっとかな。アレコレ聞いちゃう。

支払いは後払いがほとんど。
商品と一緒に振込票が届くので、それを持って振込みに行く。
コンビニが良い。銀行は街まで行かないといけないから。
衣料品などはイメージが違うと返品することもある。
今はどこも返品もすぐ受け付けてくれて感じが良い。
返金もスムーズなので気楽に買えて良い。

(3)80代男性:
通販は新聞広告を見て興味を持つことがほとんど。
購入するかどうかは、フリーダイヤルに電話してみてから決める。
フリーダイヤルなので割と気楽にかけている。
色々説明してもらって、大丈夫そうなら買う。みんな親切。
ゆっくり買えるので良い。

電話をするのは早朝かお昼前が多い。
朝はお店に買い物に行くことが多いので、通販に電話をするのはそれ以外。
通販以外の買い物(スーパーなど)は開店時間を選んで行く。
朝だと品物を棚に並べている店員さんが多いので
聞きたいことを店員さんにすぐ聞けるので便利。

通販で便利だと思うのはお店に出向かないでも良いところ。
店員の人が忙しそうにしていないところ。
大きいものや重いものや
スーパーに売っていないようなものは通販を利用する。
通販なら使い方をいつでも何度でも質問できるのも良い。

注文に要する時間は15分くらい。色々相談してから買うか決めるので。
支払いは代引きが便利なのだが、
最近は受け取り時間を選べなくなったので不便に感じるが仕方ない。
返品はしない。面倒だから。悪いし。

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少ないヒアリングではありますが、
60代前半女性は40代と言い換えても違和感のない回答です。
通販には「お得さ」を求めているのも良くわかります。

70代80代になると「お得さ」よりも
「店員さんとゆっくり話せること」にベネフィットを感じています。
確かに昨今の実店舗の接客は慌ただしく感じます。
スタッフの数が少ないので、店員さんを5分も引き止めておくのは気が引けます。
その点、何分でも話しをじっくり聞いてくれそうな(実際に聞いている)慌ただしさを感じさせない接客をしている通販は、
”シニア向けのおもてなし”のお手本になりそうです。

営業時間はどうでしょうか?
実際のところ、シニアの注文件数のピークは午前10時ごろと夜8時ごろの2回が多いとのことですが、ゴールデンタイムと言える程のものではなく、他の世代と比較してゆるやかです。
営業時間が長いことのメリットは、消費者の購買意欲のピークを逃さないことよりも、
信用獲得にあるように思います。
使っていて困ったら即その時にお店に電話で聞くことができる。
いつでも答えてくれる人がいるという安心感が、
シニアからの頼れる存在としての評価に繋がっていると想像できます。

人気通販に学ぶシニアへのおもなしポイントは、腰をすえた接客と即レス。
時間こそが高付加価値となりうるといったところでしょうか。

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次回は、
「銀座の小学校の制服問題・シニアの感想あれこれ」を
シニアデコーダーがマーケティング視点でお届けします。
お楽しみに!!

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第10回:今どきシニアの食生活 後編(70代編)

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しています。

第10回は、今どきシニアの食生活(70代編)の後編です。
→前編はこちら

後編では、「なぜ70代から夫婦の個食化が始まるのか?」を翻訳します。

妻が70歳前後に差し掛かると、
多くの場合、夫は70歳〜75歳くらいです。

現在70歳〜75歳男性のシニアライフを考えてみます。
定年から10年程経過し、
仕事(役職・部下といった社会のヒエラルキー)から離脱したという実感が
やっと出てくる頃です。

かつての仕事仲間、恩師や同級生の訃報をよく聞くようになり、
「残りの人生をどう生きるべきか」というテーマに向き合う頃になります。

家庭生活では、(妻がどう思っているかは別として)
自分が仕事をしている間に家庭を全て切り盛りしてくれた妻への配慮から、
妻を尊重して妻の作った家庭のルールで暮らしてきたけれど、
「僕の人生、我慢したままで終わっていいのか?」という考えが頭に浮かびます。

やりたいことがあれば、元気なうちにやるべきではないか?
そろそろ自由に思う通りに生きても良いのではないか?
そうは言っても、そう大胆なことはできない。。。

そこで出てくるのが「せめて、自分の好きなものを食べる」というアイディアです。

妻が作ってくれる食事は体のことを考えて薄味で野菜中心のもの。
でも本当は、僕は濃い味付けが好きなんだ。
いまひとつ、物足りない。

サラリーマン時代に食べた真っ黒な汁のお蕎麦と大きな天ぷら。
ケチャップがたっぷりのナポリタン。
居酒屋でいつも頼んでいた鶏の唐揚げ、ポテトサラダ。
お袋が作ってくれた甘辛い煮付けやきんぴら。。。

あれ食べたいなあ。

あと何年元気に食事できるか分からないのだから
食べるものくらい好きにしたい。
今はスーパーやコンビニだって美味しそうな惣菜が売っている。
食生活くらい、妻の管理下から抜けてもバチはあたらないのではないか?

といった想いが、個食を促進します。
それを実現するために
今まで妻に預けていた家計(生活費)主権の奪還を妻に迫るというケースも
数多く報告されています。

一方妻の方も、
子供も独立し、孫育ても終わり、
「そろそろ家族の食事作りから解放されたい」という想いがあり、
「夕飯は作るから、せめて朝・昼くらいは自分でやって」と夫に提案した人が
少なくありません。
「あなただって、都合良いでしょ。私の味付けしたものよりも、
 味付けの濃いお惣菜の方がお好みでしょ。」なんてことも言ってやりたい。
せっかく買った高い調味料の良さを理解できない夫に食べさせるのはもったいないし。
私にだって好きなものを食べる権利はあるはず。

かくして。夫婦の個食化は進みます。

しかし昨今では、スーパーやコンビニのお惣菜の進化が目覚ましく、
味付けやボリュームのバリエーションが豊富になり、
「二人分ならお惣菜を買った方が経済的」と考え、
お惣菜を多用した食生活を選ぶ主婦も増えています。
私たちの調査では、75歳前後になるとお惣菜派の割合は
手作り派(というよりお惣菜に否定的な層)と拮抗するまでに高まってきます。

揚げ物・焼き魚などの調理後の片付けが大変なもの、
海鮮丼・助六・ちらし寿司・ワンコイン程度の価格の弁当などの軽食人気で、
冷凍食品のパスタやグラタン、焼きおにぎりや炒飯などは、
夫婦共通食として活用されています。

”シニアターゲット”として注目されている「宅配食」の活用は、
上記にあげたような「お財布も意思決定も自立している元気な70代」の利用は少ないようです。
私の実感値ではありますが、宅配食は家族ニーズであるので、
メインユーザーは親を介護している50代女性、単身世帯の男性、年代に関係なく夫の介護をしている女性ではないでしょうか。

ーまとめー
70代シニアの食生活のテーマは「お互いに好きなものを食べる」であり、
食生活に関しては夫婦であってもお財布は別々というケースも少なくないので、
コミュニケーションに関しては、嗜好の性差に配慮した表現を選ぶべきでしょう。

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次回は、
「シニアへの”おもてなし”を通販に学ぶ」を
シニアデコーダーがマーケティング視点でお届けします。
お楽しみに!!

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第9回:今どきシニアの食生活 前編(70代編)

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しています。

第9回は、今どきシニアの食生活(70代編))をお届けします。

シニアの食生活調査というと、官民様々な調査データがありますが、
多くの調査は「60歳から80歳」という広い範囲を対象としいて、
シニアライフデコーダー的にはざっくりした調査に感じられますので、
参考程度に捉えています。

子育て経験のあるママであれば、
「赤ちゃん」「ベビー」というくくりで我が子がざっくり語られることぐらい
乱暴で理不尽なことはない!と一度は思ったことがあるはずです。
「ベビーでひとまとめは辛い。年齢で分けられるのもちょっと辛い。
 できれば月齢別に対応して欲しい!」と思いますよね。

シニアも同じです。

多くの人にとって、シニアとはひとくくりにはできません。

60代は50代の続き(だから私はまだ中年)、
70代前半は60代後半の続き(だから私はまだ中高年)、
75歳前後になって”老い”と向き合い(そろそろ乗り物の席は譲って欲しいわ)、
80代前後はひとつの峠を越え(元気の有り難みがやっと分かるお年頃)、
80代中盤でやっと高齢者の仲間入り。
90代前後になってやっと100歳オーバーの人を敬えるようになった。

と、いうように、
5歳刻みくらいで心身ともに変化します。

ですから、今回のブログでは、
シニアライフのうち”70代”にフォーカスして
今どきシニアの食生活をご紹介いたします。

女性なら70代前半から、男性ですと70代半ばから
夫婦世帯にも個食化が進みます。
(その理由は次回のブログで詳しく触れます。)
結果、単身世帯と夫婦世帯の食生活の差異が少しづつ縮まり、
世帯間ギャップはあまり考慮しなくて良くなります。

それでは、70代シニアライフの食生活を見て行きましょう。

70代シニアは食生活は、嗜好の男女差が際立つようになります。

男性には「食生活の若返り現象」が起こってきます。
甘辛い味付けをより好むようになり、お惣菜を購入する機会も増加します。
生理学的な味覚の変化も起こってきますが、
男性特有のノスタルジー志向も大きく影響しているようです。
とは言え、生活習慣病も気になるので、
免罪符となることを期待して健康食品やサプリメントも好んで買うようになります。
お惣菜やカップ麺などを好み、サプリメントで栄養補給という、
イマドキの独身男性のような食生活に逆戻り。
オープンデータのご紹介はできないのですが、スーパーに行って頂ければ、
お惣菜を買っている高齢男性のひとり客がとても多いことに気づかれるでしょう。

女性はよりヘルシー志向へ向かいます。
より粗食に、より薄味に、よりさっぱりと。
味覚劣化の性差については、
嗅覚が関わることだけに実は科学的に解明されていないことが多いのですが、
もともと「美味しいものをちょっとづつ色々食べたい」という女性に特徴的な志向が
より強くでてくるようです。
「からだに優しい」というだけで「美味しく感じる」とか
心の満足が旨味として作用するという女性らしい感受性の豊かさも
彼女達をより粗食へ、より薄味へと導きます。

食品の購入先は、日常的にはどちらもスーパーですが、
いわゆる「お取り寄せ」に関しては男性の方がより多く利用しています。
1食150円〜200円もするフリーズドライの味噌汁や、
1箱4000円〜5000円するかまぼこや干物をお取り寄せするのは「じいじ」の仕業(と、妻は言ってます)

一方女性の「お取り寄せ」は調味料が多いのが特徴です。
シニアのトレンド調査によると
1本3000円〜4000円する産直オリーブオイルや出汁類が人気です。

情報の入手先は、購入初回では、最終的にはチラシと新聞広告。
新聞広告の影響がまだまだ強いのが70代シニアの特徴です。
情報の入手先での性差はあまりなく、
70代になると男性であってもスーパーのチラシはよく見られています。
ただし男性の場合は、スーパーのチラシであっても価格よりも「欲しいもの(目新しいもの・好物)が出ているかどうか」に注目しているようです。

ポイントは、
「夫と妻との好みが違ってもどちらか一方が相手の好みに合わせて夫婦で同じものを食べる」時代からお互いが卒業して、お互いが好きなものを買い、別々のものを食べる機会が増える。つまり個食化が進むという点でです。

それは、今までご紹介してきた嗜好性の性差の他に、
健康上の問題(ナトリウムやカリウム・糖分などの制限や、咀嚼や嚥下の問題)でやむを得なくそうしている場合もあります。

ここで改めて考えてみると、
自宅で生活している夫婦は、するしないは別として、
お互いに好きなものを食べられる自由があるわけですが、
高齢者施設や病院では食の好みの性差に対する配慮まではなかなか実現が難しく、
好きなものを買い、好きなものを食べることが叶わないシニアライフ。
切実ですねえ。

(後半へつづく)
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次回は、
「今どきシニアの食生活 後編(70代編)」をお届けします。
お楽しみに!!

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第8回:50代からの海外留学

シニアライフデコーダーの橋詰です。
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シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しています。

第8回の今回は、シニアライフに関連するコラムをお届けいたします!

JTB地球倶楽部の旅行商品「シニア留学」をご存知でしょうか?
商品URLはこちら→http://ryugaku.jtb.co.jp/senior/

50代以上の方を対象、「大人の遊学」をコンセプトに、
英語レッスンだけでなく、海外で学ぶ・遊ぶ・暮らすをテーマにした旅行商品です。

パンフレットを見てみると、
2016年の参加者では年代別で60代女性が一番多くの割合を占めており、
1ヶ月以内の短期留学がもっとも多く、
渡航先としてはイギリスとカナダが人気。英語の習得が目的です。
留学中の滞在先はホテルや寮よりもホストファミリーへのホームステイが選ばれています。
参加形態は「女性1人での参加」が最も多く50%を超えており、
第2位の「男性1人での参加」の16%を大きく上回ります。
ちなみに第3位は「夫婦で参加」の10.6%。
(どちらがオマケなのかしら?なんて想像を逞しくして楽しんでいますw)

参加者の声では「夢が叶った」「初めての一人旅で新しい発見」などが感想として述べらていました。

シニアライフデコーダーである私は、
シニア留学の本質は、
英語力アップや旅(海外で過ごすこと)ではなく、お稽古である
と翻訳しています。

「本物」を学ぶためには移動距離など厭わないという「お稽古の達人」がいます。
OL時代からの40数年間、憧れの先生お教室に通うために新幹線を使ったり、
お菓子を習うために本場パリの製菓学校に通ったりしてきた人達、
またそれを「いつか私も!」と憧れてきた人達、それがお稽古の達人です。

そんなお稽古の達人が60代を迎え、
お稽古の延長線上として短期留学&ホームステイを選ぶと考えれば、
JTBの調査にある”女性の1人参加”が多いこともうなずけます。

もし単純な「憧れ」や「旅感覚」だったとしたら、
女性ですもの、女友達か家族・姉妹と連れ立って参加するはずです。

と、私は思いますが、
みなさんはどう思われますか?

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次回は、
「今どきシニアの食生活(70歳前後の高齢者編)」を
シニアデコーダーがマーケティング視点でお届けします。
お楽しみに!!

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シニアのためのスマホ教室リンク集

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こちらでシニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しています。
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第7回でご紹介した
シニアマーケティングにおける「シニアのガシェット事情」の関連リンクです。

ドコモ「スマホ・ケータイ安全教室」https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/csr/safety/educational/delivery_class/index.html#p05
全国のドコモショップで開催されています

KDDIスマホ・ケータイ安全教室 (シニア向け講座)※自治体向けhttp://www.kddi.com/corporate/csr/lesson/senior/brief-summary/
自治体主催で開催されています

ソフトバンク「スマホアドバイザー」https://www.softbank.jp/mobile/special/sumaho-adviser/
スマホアドバイザーのいる店舗にて無料サポートを実施しています

他にも家電量販店が主催するもの、カルチャーセンターで開催されるものもあります。

また、私のおすすめはアップルストアでのプレゼンテーションです。
機種はiphonに限られますが、便利な機能や楽しいアプリなどの紹介が満載で
聞いているだけで明るい気分にさせてくれます!
アップル銀座・Basics:iPhoneプログラムhttps://www.apple.com/jp/today/event/
多くが無料で開催されています。

スマホ教室に通うことを検討中の男性陣のお役に立てば幸いです。

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次回は、
シニアデコーダーがマーケティング視点でピックアップしたニュースをお届けします。
お楽しみに!!

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第7回:シニアのガシェット事情

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こちらでシニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しています。
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第7回では、
シニアマーケティングにおける「シニアのガシェット事情」について解説します。

といっても、ガシェットの販売データから市場規模やビジネスチャンスを予測するものではありません。
それはマーケティンブプランナーやリサーチャーのお仕事。

このブログでは主に70代以上の方々のコミュニケーションにおけるガシェット活用の男女差に着目してみましょう。

70代の方が使う電子端末は主にこの3つです。
1)自宅のパソコン
2)タブレット端末
3)携帯電話(ガラケー及びスマートフォン)

男女差で言えば、コミュニケーションツールとして電子端末を頻繁に活用しているのは
(販売データとは違うかもしれませんが・実感値としては圧倒的に)女性の方です。

70代以上女性の多くが、絵文字やスタンプを使って家族だけでなく友人やサークル仲間とのコミュニケーションを楽しんでいます。
パソコンは夫に譲り、自らはタブレットでYouTubeで体操やダンスの動画を観たり、
レシピサイトや乗り換え案内などを検索し、さらにそれを仲間でシェアしたいと考えています。
インターネット接続はもはや日常です。

70代であれば携帯電話のスマートフォン移行もどんどん進んでいます。
理由はLINE。
子供孫やサークルの後輩との連絡にLINEは必須になりつつあります。
可愛いスタンプを押してコミュニケーションしたい!有料スタンプの購入に抵抗がない人も少なくありません。
デジタルリテラシーは決して高くはありません。
LINEとショートメールの違いは分からないし、
今自分がLINE通話をしているのか、ケータイで通話をしているのかも分かってない。
それでも、仕組みは謎でもとにかく繋がれば、まあ良い。
分からなくて当然。分からないもの同士であれこれ試行錯誤するのも「なんか楽しいから良いじゃない」というおおらかさが、彼女たちの強み。
チラシや雑誌で頻繁に目にするQRコードも「やってみたい!」「見たって言いたい」と
どんどん挑戦していきます。

一方男性陣はパソコンは得意。タブレットも使えるけど、
それはあくまでも「情報収集ツール」としての活用が中心です。
人とのコミュニケーションにスマホが必須という生活ではありません。
スマホに興味はあるけど「使い方を人に聞くのはカッコ悪い」というプライドがあるので
スマホ移行は少々億劫と感じています。
まずは仕組みを理解しないと進めないという男性脳も行く手を阻みます。
パソコンで新しいスマホやアプリ情報の検索したり
パンフレットを集めたりはするのだけど、
「どうせ買うなら誰よりもハイスペックの最新機種で差をつけたい」という欲望があるので
使いこなすためのハードルは高くなるばかり。。。
「QRコードなんて必要ない。
 そんな小ちゃい画面で見るよりも、家のパソコンで見た方が何倍も良い。」なんて言ったりします。
とは言え、デジタル妻との差がこれ以上開くのは悔しいので
スマホ教室に通うことを検討中。。。

というわけで。
男女差のあるシニアのガシェット事情。

販促のコミュニケーションを考える際には
男性のプライドを守り、女性の好奇心をくすぐることを留意します。

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次回は、
シニアのためのスマホ教室のリンク集です。
お楽しみに!

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第7回:シニアライフにおける社会貢献

シニアライフデコーダーの橋詰です。
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第7回では、
シニアマーケティングにおける「シニアライフにおける社会貢献」についてです。

女性なら、子供が独立し、孫育ても一堕落して、時間のほとんどを自分のために使えるようになったとき。
男性なら、仕事を引退し、余暇時間がぐーんと増えたとき。

人生60年であった時代なら「悠々自適なご隠居生活」のスタートが始まっていた人が大部分でした。
残された人生は10年、長くて15年。
人生の終焉がすぐそばにあるからこそ、穏やかな「余生」がおくれたわけです。

しかし現代のような超高齢時代になってきますと、
仕事や子育て孫育ての後、少なくとも20年の生活の心配があるわけです。
女性の感覚なら、
もう一度、ヒトが誕生し成人するまでの歳月、暮らしを立てていかなくちゃいけない。

余生はまだまだ先。。という状態でありながら、無職。

これはちょっと不安ですよね。

ちょっとでも良いから働きたい。もしくはパートナーに働いて欲しい。
”シニアの活用”などと政治はいうけど、
まだまだ現実的には「誰にでも仕事がある」という世の中にはなっていません。

「仕事があるという状態は幸せなんだ」「働けるって幸せ」
これらは手垢のついた表現ではありますが、
シニアライフを生きている方々のこのコトバは
現役世代の私たちよりもぐっと重みのあるものです。

しかも、
仕事の報酬はお金だけではありません。

誰かに必要とされている。
誰かのお役に立っている。
社会の一員として、世の中に貢献できている・奉仕できているという実感、
つまり「生き甲斐」も、仕事がもたらす大きな報酬です。

仕事があれば
社会から外れてしまったという疎外感や
誰からも必要とされていないと思う孤独感に
とらわれなくて済みます。

自分が誰かのお役に立っていると思えることは
特にシニアライフにおいて、幸福であるための大きなエレメントになっています。

でもなかなか、仕事につくのは難しい。。
そこで注目されるのが
ボランティアなどの社会貢献・奉仕活動です。

地域のため、子供達のため、母校のため、、
誰かの役に立てる舞台が用意されている社会は
高齢者のQOLをアップし、健康長寿につながることが
医学的にも証明されています。

この「シニアライフを送る世代の社会貢献志向」を理解することで
業績を上げている業態があります。

あるコーヒーチェーン店では、高齢の男性客が多いことが知られています。
多くがモーニングの時間帯を利用しています。

ある高齢の男性客は新聞の切り抜きを持参し、
お店のスタッフに渡します。
「この間話した本の解説がここに載ってるから読んでおきなさい。」などと言っています。
それを嬉しそうに「ありがとうございます!勉強になります!」と受け取るママさんスタッフ。

また別の高齢の男性常連客は、
通常のブレンドコーヒーの倍ちかい値段の「今月のおすすめコーヒー」を指差し
「これ、売れてるの?」なんてスタッフに質問しています。
「それが今月はちょっとお高いので、、、」というスタッフ。
「仕方ないから僕が頼んであげるよ。」
「ありがとうございます!本当に良いコーヒーなので○○さんに飲んで頂けて嬉しいです!」

このコーヒーチェーン店では
このような高齢男性客とスタッフのやりとりが
枚挙に暇がないと言って良いほどの日常になっています。

高齢男性にとっては、これもひとつの社会貢献。生き甲斐のひとつでもあります。
「わたしがこのお店のスタッフを育ている・売上に貢献できている」とう気持ちが
彼のQOLをアップさせているに違いありません。
ただコーヒーを消費しに行っているだけではありません。

お店にとっても、
お客様のQOLアップがこそが
お店の売上アップ(リピート率アップ・客単価アップ)に繋がるわけですから、
まさにwin x winの良いスパイラルが生まれるだけでなく、
お店が高齢者の拠り所として半公共的な役割を果たすことにもなり、
地域での存在感を増すこともできます。

女性の場合も同じです。
高齢女性は「何を買うか」よりも「誰から買うか」を重視する傾向にあります。
あなたの役に立っている・あなたに貢献できることを喜びと感じています。
私たちの調査では、「応援」は購買理由の中でも高い順位を保持しています。

超高齢社会になり、20年30年という長さまで延長された余生。
一生現役で仕事があれば安心ですが、そうでない世の中で、
収入にはならないかもしれないけど、
せめて誰かの役に立っているという生き甲斐を得る場所としての奉仕活動。
それが消費と結びついた応援買いは、
生き甲斐につながる行為です。

現役世代でも「復興応援」などのエシカルな消費はありますが、
シニアライフにおいては、もう少し切実な事情があることが分かります。

シニアをターゲットとした商品開発においては、
早いうちから消費者に関わってもらうことで
消費者にも商品・サービスを「わたくしごと」としていただき
育ての親をたくさんもつことが重要です。
企業様と消費者との間の翻訳者であるシニアデコーダーの役割を担う人員を
チーム内に確保することが成功の鍵となるでしょう。

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次回は、
シニアデコーダーがマーケティング視点でピックアップしたニュースをお届けします。
お楽しみに!!

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第6回:コミュニケーションにおけるアンチエイジング

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

このブログでは、シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しておりますが、今回はちょっとブレイク。
シニアライフデコーダーが見つけたコラムをご紹介します!

脳科学者で作家、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーでもある茂木健一郎さんが、GOTCHAという媒体で発表した『コミュニケーションの「達人」になるために』というコラムです。

全文はこちら→http://gotcha.alc.co.jp/entry/20180124-mogi-communication07

ここで茂木さんは、こう述べています。

「年齢を重ねたら自動的に「おばさん」「おじさん」になるわけではない。」
「私は、年齢で人のことを決めつけるのが嫌だ。
 だから、一定の年齢の人を「おばさん」とか「おじさん」とか言うのが好きではない。
 年齢を重ねたからと言って、自動的に「おばさん」や「おじさん」になるわけではないし、
 外見だけで「おばさん」や「おじさん」が決めつけられるわけでもない。
 むしろ、コミュニケーションにおいて「おばさん」化、「おじさん」化する人がいる。
 このことは、大いに自戒しなければならない。何よりも恐ろしいことだから。」

その上で、コミュニケーションにおける「おばさん化」「おじさん化」を
こう解説しています。

「コミュニケーションにおける「おばさん」化とは何か。
 それは、端的に言えば「無意識のたれ流し」である。
 自分が思いついたことを、まるで実況中継をするように口にしてしまう。
 相手がそれをどう受け止めるか気にせずに、とにかく声に出してしまう。」

「自分の意見に対して相手がどのように感じているか、どんな意見を持っているかを気にせずに、とにかく自分の方が正しい、相手の言うことなど聞く必要がない、という態度が出始めてしまうと、その人は「おじさん」である。」

同世代からは「わかるわかる。やってるやってる。」という声が聞こえてきそうです。

さらに、「おばさん化」「おじさん化」を避けるための心得えを紹介し、
コラムの最後をこう締めています。

そうすれば、何歳になっても「おばさん」「おじさん」になることがない。コミュニケーションにおける「アンチエイジング」だ。

茂木健一郎さんはウィキペディアによると55歳。
20代30代の方々から見たら「とっくにおじさんが今更何を言っているのか?」と思われるかもしれません。
しかし、これがシニアへの道。

感情面への配慮は、良いコミュニケーションには欠かせません。

ワタシのことを「おばさん・おじさん」と呼んで良いのは甥っ子姪っ子と我が子の同級生だけ。
ワタシのことを「おばあさん・おじいさん」と呼んで良いのは家族だけ。

このお作法を覚えておきましょう!

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次回は、
「シニアライフにおける社会貢献」を
シニアデコーダーがマーケティング視点でお届けします。
お楽しみに!!

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第5回:シニアマーケティングにおける「家族ニーズと利用者ニーズ」

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説いたします。
第5回では、
シニアマーケティングにおける「家族ニーズと利用者ニーズ」についてです。

主婦は商品を購入するとき、
「家族が欲しいもの」と「わたしが欲しいもの」の両方を買っています。

子育て中は、
「私は欲しくないけど、家族のために買わねばならぬもの」
「家族のためには仕方ない出費」が優先されます。
いわゆる「家族ニーズ」の購入です。
一般的な子育て期間を考えれば、
「家族ニーズ」の購入を優先させる生活が
二十数年は続くことになります。

それと対局にあるのが「わたしが欲しいもの」つまり「利用者ニーズ」です。
「購入者ニーズ」とも呼ばれていますが、
ここでは「わたしが買って私が使うもの」として
「利用者ニーズ」で統一します。

現役世代の主婦の「いいね」を商品化しても
売れるとは限らない(むしろ売れない方が多い)理由は、
「利用者ニーズ」と「家族ニーズ」の狭間で
「欲しいのだけど今は買わない。
 なぜなら家族ニーズが優先だから。」という事情が影響しています。
現役世代の主婦の夢・理想を叶えるだけでは不十分という事例です。

女性のシニアライフは、
我が子が独立したことで主婦が「家族ニーズ」から半分解き放たれ、
いよいよ「利用者ニーズ」である「わたしが欲しいもの」を買える機会が増える
まさに春の季節からスタートします。

お稽古事を始めたり、
十数年ぶりに夫・子供以外の人と旅行に出かけたり、
もちろん夫とのちょっとリッチな旅や
ファイブスターホテルのランチを楽しんだり、
私の時間・利用者ニーズの購買を謳歌できるようになります。
罪悪感なしに私のためにお金をつかえる喜び。
まさにオトナの青春!
まだまだ体力もあり無理もきく年代です。

TVCMの「大人の休日」のような充実した日々のイメージも夢ではありません。
本当の私の人生のスタート。
それが主婦のシニアライフの始まりと重なります。

この、主婦に訪れる第二の青春期の次にやってくるのが
「孫誕生」というステージです。

多くの人の現役世代のイメージはここで
「目に入れても痛くない可愛い孫のために
 お財布の紐をゆるめて最高のものを買い揃えるおじいちゃん・おばあちゃん」に
一足飛びに突入してしまうのですが、
シニアライフデコーダー視点で解説しますと
この演歌「孫よ」のイメージは
現実のシニアライフとは違う・・・と、言わざる得ません。

なぜなら、
孫への出費は、ほとんどが「家族ニーズ」だからです。

今、主婦が謳歌しているのは、
二十数年続けてきた「家族ニーズ」優先の生活からやっと卒業して、
ようやく迎えた「利用者ニーズ」を優先して良い、第二の青春時代です。

しかも主婦になってからの第二の青春時代は
そう長くはありません。
自分の親の介護の問題や夫の健康問題が
近い将来現実的になるという予感もあります。

「私の人生ってなんだったの?」と後悔しないために
今を楽しみたいという気持ちは
大げさでなく切迫した願望として主婦の心にあるのです。

できればこの青春を手放したくない。
少しでも長く味わっていたいと思うのが本当のところです。

「孫が可愛い」のは事実ですが、
だからといって「家族ニーズ」購入の割合をどんどん増やせるほど
人の感情は簡単ではありません。

それでも、孫のため(つまり「家族ニーズ」)の出費をするのは、
「孫が可愛い」という気持ちもありますが、
それよりも「孫よりかわいい我が息子・我が娘」に
人並みのことをさせてあげたい。
肩身の狭い想いをさせたくない、
親として可愛い我が子を支援したいという気持ちがあるからです。

母性として母親に備わっている「我が子可愛い」が
祖母世代の家族ニーズ消費を促しています。
(祖父はまた少し事情が違います。それはまた別の機会にお話しましょう!)

「孫より我が子」です。

「シックスポケット」という言葉が生まれたことで「孫の日」も誕生しましたが、
肝心のシニアにはちっとも共感されないという現実。
ここまでの解説で、その理由の片鱗がご理解頂けたと思います。

繰り返しますが、孫より我が子です。

「祖父母と孫のイベント」に祖父母が参加するのは
可愛い子に自由時間をプレゼントするため。

孫のお年玉の額をちょっと抑えてでも
息子に良い和牛を食べさせてやりたい。
(嫁は普段食べさせてないだろうから)。

娘時代はあんなにオシャレだったのに、
いつも同じ服を着て子供のものばかり買って
(婿が甲斐性無しなばっかりに)本当に可哀想。
私が娘にワンピースの1枚でも買ってあげたい。

むこうの両親に「実家がケチ」だと思われたら我が子が可哀想だから
お祝いは奮発しなくては!

etc……

この気持ちがシニアの「家族ニーズ消費」の原動力です。
つまり、「母性」が肝なのです。

シニア世代の「孫あるある」の笑い話しに、
「孫にお祝いやプレゼントを送ったら孫から電話が来て
 夫が電話に出たのだけど「おばあちゃんにかわって。」と。
 それで孫が「おばあちゃん、プレゼントありがとう!」と言うもんだから
 なんだか夫に悪くて(笑)」というのがあります。

子供はプレゼントの出所が「母性」であることを
本能で感じ取っているのかもしれないですね。

今日はシニアライフを感情面から翻訳して
利用者ニーズと家族ニーズについて考えてみました。

シニアとのコミュニケーションにお役立ていただけたら嬉しいです!

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次回は、
シニアデコーダーがマーケティング視点でピックアップしたニュースをお届けします。
お楽しみに!!

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