第7回:シニアのガシェット事情

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

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こちらでシニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しています。
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第7回では、
シニアマーケティングにおける「シニアのガシェット事情」について解説します。

といっても、ガシェットの販売データから市場規模やビジネスチャンスを予測するものではありません。
それはマーケティンブプランナーやリサーチャーのお仕事。

このブログでは主に70代以上の方々のコミュニケーションにおけるガシェット活用の男女差に着目してみましょう。

70代の方が使う電子端末は主にこの3つです。
1)自宅のパソコン
2)タブレット端末
3)携帯電話(ガラケー及びスマートフォン)

男女差で言えば、コミュニケーションツールとして電子端末を頻繁に活用しているのは
(販売データとは違うかもしれませんが・実感値としては圧倒的に)女性の方です。

70代以上女性の多くが、絵文字やスタンプを使って家族だけでなく友人やサークル仲間とのコミュニケーションを楽しんでいます。
パソコンは夫に譲り、自らはタブレットでYouTubeで体操やダンスの動画を観たり、
レシピサイトや乗り換え案内などを検索し、さらにそれを仲間でシェアしたいと考えています。
インターネット接続はもはや日常です。

70代であれば携帯電話のスマートフォン移行もどんどん進んでいます。
理由はLINE。
子供孫やサークルの後輩との連絡にLINEは必須になりつつあります。
可愛いスタンプを押してコミュニケーションしたい!有料スタンプの購入に抵抗がない人も少なくありません。
デジタルリテラシーは決して高くはありません。
LINEとショートメールの違いは分からないし、
今自分がLINE通話をしているのか、ケータイで通話をしているのかも分かってない。
それでも、仕組みは謎でもとにかく繋がれば、まあ良い。
分からなくて当然。分からないもの同士であれこれ試行錯誤するのも「なんか楽しいから良いじゃない」というおおらかさが、彼女たちの強み。
チラシや雑誌で頻繁に目にするQRコードも「やってみたい!」「見たって言いたい」と
どんどん挑戦していきます。

一方男性陣はパソコンは得意。タブレットも使えるけど、
それはあくまでも「情報収集ツール」としての活用が中心です。
人とのコミュニケーションにスマホが必須という生活ではありません。
スマホに興味はあるけど「使い方を人に聞くのはカッコ悪い」というプライドがあるので
スマホ移行は少々億劫と感じています。
まずは仕組みを理解しないと進めないという男性脳も行く手を阻みます。
パソコンで新しいスマホやアプリ情報の検索したり
パンフレットを集めたりはするのだけど、
「どうせ買うなら誰よりもハイスペックの最新機種で差をつけたい」という欲望があるので
使いこなすためのハードルは高くなるばかり。。。
「QRコードなんて必要ない。
 そんな小ちゃい画面で見るよりも、家のパソコンで見た方が何倍も良い。」なんて言ったりします。
とは言え、デジタル妻との差がこれ以上開くのは悔しいので
スマホ教室に通うことを検討中。。。

というわけで。
男女差のあるシニアのガシェット事情。

販促のコミュニケーションを考える際には
男性のプライドを守り、女性の好奇心をくすぐることを留意します。

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次回は、
シニアのためのスマホ教室のリンク集です。
お楽しみに!

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第7回:シニアライフにおける社会貢献

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説いたします。
第7回では、
シニアマーケティングにおける「シニアライフにおける社会貢献」についてです。

女性なら、子供が独立し、孫育ても一堕落して、時間のほとんどを自分のために使えるようになったとき。
男性なら、仕事を引退し、余暇時間がぐーんと増えたとき。

人生60年であった時代なら「悠々自適なご隠居生活」のスタートが始まっていた人が大部分でした。
残された人生は10年、長くて15年。
人生の終焉がすぐそばにあるからこそ、穏やかな「余生」がおくれたわけです。

しかし現代のような超高齢時代になってきますと、
仕事や子育て孫育ての後、少なくとも20年の生活の心配があるわけです。
女性の感覚なら、
もう一度、ヒトが誕生し成人するまでの歳月、暮らしを立てていかなくちゃいけない。

余生はまだまだ先。。という状態でありながら、無職。

これはちょっと不安ですよね。

ちょっとでも良いから働きたい。もしくはパートナーに働いて欲しい。
”シニアの活用”などと政治はいうけど、
まだまだ現実的には「誰にでも仕事がある」という世の中にはなっていません。

「仕事があるという状態は幸せなんだ」「働けるって幸せ」
これらは手垢のついた表現ではありますが、
シニアライフを生きている方々のこのコトバは
現役世代の私たちよりもぐっと重みのあるものです。

しかも、
仕事の報酬はお金だけではありません。

誰かに必要とされている。
誰かのお役に立っている。
社会の一員として、世の中に貢献できている・奉仕できているという実感、
つまり「生き甲斐」も、仕事がもたらす大きな報酬です。

仕事があれば
社会から外れてしまったという疎外感や
誰からも必要とされていないと思う孤独感に
とらわれなくて済みます。

自分が誰かのお役に立っていると思えることは
特にシニアライフにおいて、幸福であるための大きなエレメントになっています。

でもなかなか、仕事につくのは難しい。。
そこで注目されるのが
ボランティアなどの社会貢献・奉仕活動です。

地域のため、子供達のため、母校のため、、
誰かの役に立てる舞台が用意されている社会は
高齢者のQOLをアップし、健康長寿につながることが
医学的にも証明されています。

この「シニアライフを送る世代の社会貢献志向」を理解することで
業績を上げている業態があります。

あるコーヒーチェーン店では、高齢の男性客が多いことが知られています。
多くがモーニングの時間帯を利用しています。

ある高齢の男性客は新聞の切り抜きを持参し、
お店のスタッフに渡します。
「この間話した本の解説がここに載ってるから読んでおきなさい。」などと言っています。
それを嬉しそうに「ありがとうございます!勉強になります!」と受け取るママさんスタッフ。

また別の高齢の男性常連客は、
通常のブレンドコーヒーの倍ちかい値段の「今月のおすすめコーヒー」を指差し
「これ、売れてるの?」なんてスタッフに質問しています。
「それが今月はちょっとお高いので、、、」というスタッフ。
「仕方ないから僕が頼んであげるよ。」
「ありがとうございます!本当に良いコーヒーなので○○さんに飲んで頂けて嬉しいです!」

このコーヒーチェーン店では
このような高齢男性客とスタッフのやりとりが
枚挙に暇がないと言って良いほどの日常になっています。

高齢男性にとっては、これもひとつの社会貢献。生き甲斐のひとつでもあります。
「わたしがこのお店のスタッフを育ている・売上に貢献できている」とう気持ちが
彼のQOLをアップさせているに違いありません。
ただコーヒーを消費しに行っているだけではありません。

お店にとっても、
お客様のQOLアップがこそが
お店の売上アップ(リピート率アップ・客単価アップ)に繋がるわけですから、
まさにwin x winの良いスパイラルが生まれるだけでなく、
お店が高齢者の拠り所として半公共的な役割を果たすことにもなり、
地域での存在感を増すこともできます。

女性の場合も同じです。
高齢女性は「何を買うか」よりも「誰から買うか」を重視する傾向にあります。
あなたの役に立っている・あなたに貢献できることを喜びと感じています。
私たちの調査では、「応援」は購買理由の中でも高い順位を保持しています。

超高齢社会になり、20年30年という長さまで延長された余生。
一生現役で仕事があれば安心ですが、そうでない世の中で、
収入にはならないかもしれないけど、
せめて誰かの役に立っているという生き甲斐を得る場所としての奉仕活動。
それが消費と結びついた応援買いは、
生き甲斐につながる行為です。

現役世代でも「復興応援」などのエシカルな消費はありますが、
シニアライフにおいては、もう少し切実な事情があることが分かります。

シニアをターゲットとした商品開発においては、
早いうちから消費者に関わってもらうことで
消費者にも商品・サービスを「わたくしごと」としていただき
育ての親をたくさんもつことが重要です。
企業様と消費者との間の翻訳者であるシニアデコーダーの役割を担う人員を
チーム内に確保することが成功の鍵となるでしょう。

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次回は、
シニアデコーダーがマーケティング視点でピックアップしたニュースをお届けします。
お楽しみに!!

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第6回:コミュニケーションにおけるアンチエイジング

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

このブログでは、シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説しておりますが、今回はちょっとブレイク。
シニアライフデコーダーが見つけたコラムをご紹介します!

脳科学者で作家、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーでもある茂木健一郎さんが、GOTCHAという媒体で発表した『コミュニケーションの「達人」になるために』というコラムです。

全文はこちら→http://gotcha.alc.co.jp/entry/20180124-mogi-communication07

ここで茂木さんは、こう述べています。

「年齢を重ねたら自動的に「おばさん」「おじさん」になるわけではない。」
「私は、年齢で人のことを決めつけるのが嫌だ。
 だから、一定の年齢の人を「おばさん」とか「おじさん」とか言うのが好きではない。
 年齢を重ねたからと言って、自動的に「おばさん」や「おじさん」になるわけではないし、
 外見だけで「おばさん」や「おじさん」が決めつけられるわけでもない。
 むしろ、コミュニケーションにおいて「おばさん」化、「おじさん」化する人がいる。
 このことは、大いに自戒しなければならない。何よりも恐ろしいことだから。」

その上で、コミュニケーションにおける「おばさん化」「おじさん化」を
こう解説しています。

「コミュニケーションにおける「おばさん」化とは何か。
 それは、端的に言えば「無意識のたれ流し」である。
 自分が思いついたことを、まるで実況中継をするように口にしてしまう。
 相手がそれをどう受け止めるか気にせずに、とにかく声に出してしまう。」

「自分の意見に対して相手がどのように感じているか、どんな意見を持っているかを気にせずに、とにかく自分の方が正しい、相手の言うことなど聞く必要がない、という態度が出始めてしまうと、その人は「おじさん」である。」

同世代からは「わかるわかる。やってるやってる。」という声が聞こえてきそうです。

さらに、「おばさん化」「おじさん化」を避けるための心得えを紹介し、
コラムの最後をこう締めています。

そうすれば、何歳になっても「おばさん」「おじさん」になることがない。コミュニケーションにおける「アンチエイジング」だ。

茂木健一郎さんはウィキペディアによると55歳。
20代30代の方々から見たら「とっくにおじさんが今更何を言っているのか?」と思われるかもしれません。
しかし、これがシニアへの道。

感情面への配慮は、良いコミュニケーションには欠かせません。

ワタシのことを「おばさん・おじさん」と呼んで良いのは甥っ子姪っ子と我が子の同級生だけ。
ワタシのことを「おばあさん・おじいさん」と呼んで良いのは家族だけ。

このお作法を覚えておきましょう!

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次回は、
「シニアライフにおける社会貢献」を
シニアデコーダーがマーケティング視点でお届けします。
お楽しみに!!

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第5回:シニアマーケティングにおける「家族ニーズと利用者ニーズ」

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」のお仕事について解説いたします。
第5回では、
シニアマーケティングにおける「家族ニーズと利用者ニーズ」についてです。

主婦は商品を購入するとき、
「家族が欲しいもの」と「わたしが欲しいもの」の両方を買っています。

子育て中は、
「私は欲しくないけど、家族のために買わねばならぬもの」
「家族のためには仕方ない出費」が優先されます。
いわゆる「家族ニーズ」の購入です。
一般的な子育て期間を考えれば、
「家族ニーズ」の購入を優先させる生活が
二十数年は続くことになります。

それと対局にあるのが「わたしが欲しいもの」つまり「利用者ニーズ」です。
「購入者ニーズ」とも呼ばれていますが、
ここでは「わたしが買って私が使うもの」として
「利用者ニーズ」で統一します。

現役世代の主婦の「いいね」を商品化しても
売れるとは限らない(むしろ売れない方が多い)理由は、
「利用者ニーズ」と「家族ニーズ」の狭間で
「欲しいのだけど今は買わない。
 なぜなら家族ニーズが優先だから。」という事情が影響しています。
現役世代の主婦の夢・理想を叶えるだけでは不十分という事例です。

女性のシニアライフは、
我が子が独立したことで主婦が「家族ニーズ」から半分解き放たれ、
いよいよ「利用者ニーズ」である「わたしが欲しいもの」を買える機会が増える
まさに春の季節からスタートします。

お稽古事を始めたり、
十数年ぶりに夫・子供以外の人と旅行に出かけたり、
もちろん夫とのちょっとリッチな旅や
ファイブスターホテルのランチを楽しんだり、
私の時間・利用者ニーズの購買を謳歌できるようになります。
罪悪感なしに私のためにお金をつかえる喜び。
まさにオトナの青春!
まだまだ体力もあり無理もきく年代です。

TVCMの「大人の休日」のような充実した日々のイメージも夢ではありません。
本当の私の人生のスタート。
それが主婦のシニアライフの始まりと重なります。

この、主婦に訪れる第二の青春期の次にやってくるのが
「孫誕生」というステージです。

多くの人の現役世代のイメージはここで
「目に入れても痛くない可愛い孫のために
 お財布の紐をゆるめて最高のものを買い揃えるおじいちゃん・おばあちゃん」に
一足飛びに突入してしまうのですが、
シニアライフデコーダー視点で解説しますと
この演歌「孫よ」のイメージは
現実のシニアライフとは違う・・・と、言わざる得ません。

なぜなら、
孫への出費は、ほとんどが「家族ニーズ」だからです。

今、主婦が謳歌しているのは、
二十数年続けてきた「家族ニーズ」優先の生活からやっと卒業して、
ようやく迎えた「利用者ニーズ」を優先して良い、第二の青春時代です。

しかも主婦になってからの第二の青春時代は
そう長くはありません。
自分の親の介護の問題や夫の健康問題が
近い将来現実的になるという予感もあります。

「私の人生ってなんだったの?」と後悔しないために
今を楽しみたいという気持ちは
大げさでなく切迫した願望として主婦の心にあるのです。

できればこの青春を手放したくない。
少しでも長く味わっていたいと思うのが本当のところです。

「孫が可愛い」のは事実ですが、
だからといって「家族ニーズ」購入の割合をどんどん増やせるほど
人の感情は簡単ではありません。

それでも、孫のため(つまり「家族ニーズ」)の出費をするのは、
「孫が可愛い」という気持ちもありますが、
それよりも「孫よりかわいい我が息子・我が娘」に
人並みのことをさせてあげたい。
肩身の狭い想いをさせたくない、
親として可愛い我が子を支援したいという気持ちがあるからです。

母性として母親に備わっている「我が子可愛い」が
祖母世代の家族ニーズ消費を促しています。
(祖父はまた少し事情が違います。それはまた別の機会にお話しましょう!)

「孫より我が子」です。

「シックスポケット」という言葉が生まれたことで「孫の日」も誕生しましたが、
肝心のシニアにはちっとも共感されないという現実。
ここまでの解説で、その理由の片鱗がご理解頂けたと思います。

繰り返しますが、孫より我が子です。

「祖父母と孫のイベント」に祖父母が参加するのは
可愛い子に自由時間をプレゼントするため。

孫のお年玉の額をちょっと抑えてでも
息子に良い和牛を食べさせてやりたい。
(嫁は普段食べさせてないだろうから)。

娘時代はあんなにオシャレだったのに、
いつも同じ服を着て子供のものばかり買って
(婿が甲斐性無しなばっかりに)本当に可哀想。
私が娘にワンピースの1枚でも買ってあげたい。

むこうの両親に「実家がケチ」だと思われたら我が子が可哀想だから
お祝いは奮発しなくては!

etc……

この気持ちがシニアの「家族ニーズ消費」の原動力です。
つまり、「母性」が肝なのです。

シニア世代の「孫あるある」の笑い話しに、
「孫にお祝いやプレゼントを送ったら孫から電話が来て
 夫が電話に出たのだけど「おばあちゃんにかわって。」と。
 それで孫が「おばあちゃん、プレゼントありがとう!」と言うもんだから
 なんだか夫に悪くて(笑)」というのがあります。

子供はプレゼントの出所が「母性」であることを
本能で感じ取っているのかもしれないですね。

今日はシニアライフを感情面から翻訳して
利用者ニーズと家族ニーズについて考えてみました。

シニアとのコミュニケーションにお役立ていただけたら嬉しいです!

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次回は、
シニアデコーダーがマーケティング視点でピックアップしたニュースをお届けします。
お楽しみに!!

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第4回:バリアフリーとユニバーサルデザイン

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフデコーダーのお仕事について解説いたします。
第4回のテーマは「バリアフリーとユニバーサルデザイン」です。

今回は社会的な概念であるバリアフリーとユニバーサルデザインの違いを紐解き、
シニアマーケティングでの活用を考えます。

まずバリアフリーについてです。
この言葉は日本では主に都市計画や構造物の設計に用いられている概念です。
日本での一般的な解釈では、
移動が不自由な人にとっての障壁(バリア)を取り除く配慮を施すこと、例えば、
段差をなくして車椅子の通行を容易にしたり、つまづきを回避するようにフロアをデザインする、
スロープを設けるなどの施策があげられます。
多目的トイレ・点字ブロック・車椅子専用の駐車スペースの設置なども含まれます。

(本来のバリアフリー概念より狭義な捉え方ですが)日本では
「既存型の構造では使用に際し不自由を感じる方々用に、
 機能的に配慮された特別な仕様を用意する」といった意味で使われていることが多いため、
「障壁を取り除く」というよりも、
身体的に不自由を感じない人とそうでない人を分けて考えることが前提になっているように見えます。

次にユニバーサルデザインですが、こちらは、
「あらかじめ、身体的な不自由さの有無・世代・性別・人種等に関わらず
 誰もが快適に使えるように、環境や生活をデザインする」という考え方で、
日本では工業製品(プロダクツ)によく用いられています。

例えば、
「右利きの人も左利きの人も握力がない人も簡単に使えるハサミ」や、
全機種でアクセシビリティ機能を実装しているiphone(Apple)もユニバーサルデザインのプロダクツです。
実はエレベーターも、妊婦さんも、ベビーカーのママも、高齢者も、
元気な人はもちろん、車椅子の方も、目が見えない・見えにくい人も、
分け隔てなく快適に使うことができるユニバーサルデザインと言えます。
また、表参道ヒルズのらせん構造もこれに該当します。

身体的に不自由を感じている人とそうでない人を分けて考えるバリアフリー。
あらかじめ、誰もが同じように快適に使えるように考案するユニバーサルデザイン。

シニアマーケティングを考えたとき、
用いるべき概念は間違いなくバリアフリーよりもユニバーサルデザインです。

なぜなら、このブログの第2回目で述べた通り、
シニアを「アクティブ」にする重要な要素は「快適性(居心地の悪さを感じないこと)」であり、
現役世代と「今の私」がシームレスであればあるほど
「私向き」で「親切である」と評価する傾向が高いからです。

年齢で分けられることを良しとしないシニア層に
バリアフリーの概念を持ち込むのは得策とは言えないでしょう。

******

ここで「シニアに優しいお店づくり」という課題について
シニアライフデコーダーの思考をもって取り組んでみましょう!

まずはシニアライフにおける身体的特徴をとらえます。

白内障や老眼の見え方に配慮し、照明の照度・色調、価格表記等を配慮します。

膝に痛み・肩の痛み・関節の可動範囲が狭くなるなどの特徴に配慮した什器のデザインをします。
かがまないと取れない場所への商品陳列は避ける等の配慮もいるでしょう。

厚生労働省の発表によると、平成26年調査では70歳以上女性の平均身長は148.3cm、
60代女性でも153.2cmですから、
レジの高さ、ショッピングカートの大きさ、ショッパーのサイズにも快適値があるはずです。

加齢によって視野も狭くなりますので、
一つの棚の情報量(並べる商品の数)にも最適値を探求します。

後期高齢者になると歩行器代わりにシニアカートをおす人が増えます。
カートを押しながら店内を回遊できれば、快適性が上がります。
通路の広さ、マイカートと買い物カゴとの親和性はどうでしょうか?

「今分からないことは今質問したい(後回しにしたら忘れちゃう)」という特性に対応できれば、
売り逃がしを防ぐことができます。

筋力や持久力の低下に対応するなら
店内にちょっと休憩できる椅子を設置するというアイディアが生まれるはずです。

新しいことへの理解に時間がかかるようになりますから、
店内サインや告知は直感的に理解できるように、大きくてシンプルに。

こうして、ひとつひとつあげてみると、
シニアの身体的特徴に配慮することは、シニアだけでなく、
妊婦さん・ベビーカーをおすママ・車椅子の人・子供・
四十肩や老眼が始まる40代後半の人などの快適性も
同時にアップできることに気がつきます。

シニアを起点にすることで、ユニバーサルデザインが実現していますね。
これがシニアマーケティングの懐の深いところです。

また、感情面への配慮も重要です。
人生の終盤に入ると物欲は低くなってきます。
「何を買うか」という興味・好奇心よりも
「誰から買うか」が優先され、購入はよりエモーショナルになっていきます。
シニアライフにおいて「誰かのお役に立っている」ということは
生き甲斐であり楽しみであり生きる気力ですから、
「お店つくり」のプランニングに、
あらかじめ多くのシニアをインクルーシブ(積極的に関わってもらう)することは、
強力なサポーター(お店のファン)を育成することにつながります。

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このブログではすでに何度も触れていますが、
シニアとのより良いコミュニケーションを目指そうとするときは、
身体的・社会的・感情的・哲学的な観点からシニアの人生をホリスティックに理解し、
彼らが心地よいと感じるコトモノ、
彼らへ「私のこと」として受け止められるコトモノとなるよう
プランニングとディレクションを進めましょう。

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次回は、
「家族ニーズと利用者ニーズ」を
シニアデコーダーがマーケティング視点でお届けします。
お楽しみに!!

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第3回:シニアライフをホリスティックに理解する(後編)

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフデコーダーのお仕事について解説いたします。

第1回目では
「シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」の役割」についてお話しいたしました。
 詳しくはこちら → シニアライスの翻訳者「シニアライフデコーダー」の役割

第3回目の今回は「シニアライフをホリスティックに理解する」の後編をお届けします。

私たちシニアライフデコーダーは企業様へ、
「アクティブシニアをターゲットにする」のではなく、
シニアがアクティブでいられるようなサービスのクリエイションこそが
ビジネス的な成功の鍵と考え、プランニングとディレクションをご提案しています。

なにもそれは”社会を変える”というような大きな話しではありません。
「おもてなし」に近い小さな親切を
サービス・商品及び販促物・什器や施設に至るまでいくつ入れこめるか?という
日々の積み重ね作業がシニアの購買モチベーションの原動力ですので、
生活者視点を愚直に貫くプランニングとディレクションで実現できます。

シニアをアクティブにするプランニングには
今回の主題であります「シニアライフをホリスティックに理解する」ことが必須になります。

ビジネス的な成功事例の探求も必要ですが、それだけでは足りません。
医療・看護・介護・介助の視点から高齢者のフィジカルの特徴や
高齢者によくある病気やその症状に対する知識や、
心情を慮ることができるスキル・尊厳を守る接し方のスキルを身につけることに価値があります。

商品開発中にシニアから直接サービスに対する評価判定を受けることも重要でしょう。
その際にも、シニアの心情をよく理解した翻訳者の介在が、評価判定の精度向上には欠かせません。

例えば、「良い」という判定があったとして、
その「良い」は誰にとってどう「良い」のでしょうか?
ご高齢の女性には「”わたし”はいつも一番後ろ」という志向があります。
アンケートひとつとっても、
「”わたし”はともかくとして、若い人にはこれで良いと思います。」、または、
「あなたが一生懸命考えたらことなら、”わたし”は応援しますよ。」という意味での「良い」という場合が常にあるのです。

販促でも同様にシニアライフのホリスティックな理解が
シニアニーズの正しい理解に役に立ちます。
「シニアモデルを使って、文字を大きくして、落ち着いたトーン。」では充分ではありません。
60代70代前半の方の多くが「これはお年寄り向き」として他人事としてパスしてしまう広告の多くがこのタイプです。

現役世代から見たら「60代70代は立派なお年寄」だと思いますが
そう簡単にはいかないのがシニアです。

また「読みやすさ」「理解のしやすさ」は、個人差や主観によるものもあり、
「何フォント・何色」といった規格化が大変難しくもありますが、
それでも、多くの人が「見やすい・わかりやすい」と感じるコツがあり、
これもまたシニアライフの専門家の助言が役に立ちます。

このように、シニアとのより良いコミュニケーションを目指そうとするときは、
身体的・社会的・感情的・哲学的な観点からシニアの人生をホリスティックに理解し、
彼らが心地よいと感じるコトモノ、
彼らへ「私のこと」として受け止められるコトモノとなるよう
プランニングとディレクションを進めましょう。

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次回は、
「バリアフリーとユニバーサルデザイン」を
シニアデコーダーがマーケティング視点でお届けします。
お楽しみに!!

シニアライフデコーダーについてのお問い合わせは
コチラ↓から承ります。
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第2回:シニアライフをホリスティックに理解する(前編)

シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

シニアライフデコーダーのお仕事について解説いたします。

第1回目では
「シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」の役割」についてお話しいたしました。
 詳しくはこちら → シニアライスの翻訳者「シニアライフデコーダー」の役割

第2回目では、「シニアライフをホリスティックに理解する」です。

まずは、「シニア」とはいったい誰を指す言葉でしょうか?
ここから考えてみましょう。

日本の厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」では、高齢者を下記のように説明しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
高齢者
65歳以上の人

国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人のことを高齢者としています。
65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
出典:e-ヘルスネット(原文ママ)

この文が示すように介護保険制度は65歳以上から利用できるようになります。
(一部40歳から利用可能)
では国が65歳以上を高齢者と決めているのでしょうか?

これが違うのです。

道路交通法では、高齢運転者標識(いわゆるもみじマーク)は
70歳以上から自主的に75歳以上からは必ず付けなさいとあります。
厚生労働省の見解とは5歳〜10歳の開きがあります。

一方、ビジネス(マーケティング)では何歳からを
高齢者(シニア層)と呼んでいるでしょうか?
これは実に様々。
なんと50代以上は「シニア」に分類してしまう一派(著者が50代ですのでこの表現になります!)もいれば、
厚生労働省にならって「65才以上」と決めている会社があるかと思えば、
「いやいや、高齢者=シニアではない。(購買行動が)アクティブかどうかで分類すべき!」と主張する人もいます。
たいへん曖昧・・・。

では、実際の65才以上の人々は、
「シニア」という言葉をどう捉えているでしょうか?
”孫ができたらシニア世代の仲間入り”でしょうか?
電車やバスで席を譲られたらシニア?
「シニア特典を使うときだけシニア」というのは我が母(75歳)の意見。
これも中々一括りにはできません。

シニアをマーケティング的にどう定義するか?
いろんな視点がありそうですが、現状のところ茫漠としているように感じます。

「シニア」と「シニアでない人」を区切るのは
年齢で線引きをすることが最も簡単な方法ではありますが、
「はい、あなたは今日からシニアです。」と誰かに決められるというのは、
自分の身に置き換えてみれば、なんだかあまり幸せはことではないように思います。

多くの男性や、仕事を持つ女性なら
「長年続けてきた仕事・お勤めから退いたらシニアかな」と考えている人も多いことでしょう。
もし現役中に、孫が生まれたり、65歳のお誕生日を迎えたとしても、
それは単なるプライベートな変化であり、
社会的になシニアとは呼べない・呼ばれたくないという感覚をお持ちの方がほとんどです。

そして、いよいよ現役を引退する日を迎えたとしても、
「これからシニアライフが始まるのだな」という感覚を持ったにすぎず、
「今日からシニア」とは思っていません。
90歳の老人と「シニアライフ1年生」の自分が
社会的に同じカテゴリに入れられたとはゆめゆめ思ってはいません。

専業主婦は一生現役ですから
現役時代とシニアライフの境界線はいつまでたっても現れません。

「シニア」と「シニアでない人」の線引きは大変困難です。

でもそれで良いのです。

なぜならビジネスにおいてシニア向けサービス・商品を考えようとするとき、
年齢的な線引きはさほど重要ではないからです。
(その理由はまた別の機会でご説明いたします。)

シニアかどうかの判断は、その都度お客様自身に委ねて良い。
それを前提にシニアが快適に使える商品とサービスを考案します。

シニア自身が年齢を物差しにはしていません。
では彼らが「自分はシニアなのだ」と感じるのはどんな時でしょうか?

議論を茫漠とさせないために、
シーンをスーパーでの買い物に絞って
ハナモニターにヒアリングしてみました。

・欲しいものが見つけにくいとき
・お惣菜を見ても食欲がわかないとき
・品揃えや提案が若い人向けだな・・と寂しく感たとき
・賑わった店内はせわしなく感じて居心地が悪いと思うとき
・値札の文字が見えづらく読むのに時間がかかっているとき
・お店の仕組みやキャンペーンの応募方法などが理解しずらいとき
・商品選びやレジなどでテキパキ動けないとき

ざっと挙げてみたコメントですが、読み込んでみると、
加齢に伴う身体的な変化(衰え)を実感したときや
現役世代のスピード感についていけないと感じたときに
「シニアになった」と感じていることが分かります。

そして重要なのは、
シニアライフでは、
上にあげたような「居心地の悪さ」がスーパーに限らず、
銀行でもデパートでも、病院や図書館、鉄道やバスなど
行く先々に広がっていくという状況に向き合わなければなりません。

ですから、
高齢者であっても
上記のような「居心地の悪さ」を感じさせない快適な場所・サービス・商品を
彼らは「お年寄り向き(シニア向け)」と位置づけ重用します。

ファミリー向けに設えられた施設の一角をシニア向けコーナーにして「お年寄りに売りたい商品」だけを集めてみても、
”わたくしごと”と受け止めるお客様はおそらくいないでしょう。

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次回は、
「シニアライフをホリスティックに理解する(後編)」を
シニアデコーダーがお届けします。
お楽しみに!!

シニアライフデコーダーについてのお問い合わせは
コチラ↓から承ります。
http://office-hana.info/inquery/

第1回:シニアライフの翻訳者「シニアライフデコーダー」の役割

はじめまして!
シニアライフデコーダーの橋詰です。
オフィス・ハナのシニアマーケティングを担当しています。

まずは
シニアライフデコーダーという仕事についてお話しいたします。

日本の人口減少傾向にあたり、ビジネスの世界では、
高齢者、中でもアクティブシニアと言われる層への様々なアプローチが始まっています。

シニアマーケティングという言葉も登場し、
「シニア世代にお金を遣ってもらうにはどうしたら良いのか?」は
企業にとって検討すべき重要な課題のひとつとなっています。

”シニア層の取り込み”でイメージしやすいのは
「祖父母と孫」のパッケージではないでしょうか?
「祖父母が可愛い孫のために財布の紐をゆるめてくれる企画」なんていうのが頭に浮びます。

次に多いのは「資産として孫に相続できるような」、
または「元気なうちに自分へのご褒美としてふさわしい」
高額な商品やサービスもイメージしやすいことでしょう。

もっと実際的なプランとしては、
医療・介護保険制度下でのビジネス展開もあると思います。
体調に問題のある高齢者の方の家族のニーズに応えるサービスで
公的な補助と治療やケアの対象者の自己負担の両方を売り上げとするビジネス、
例えばデイサービスなどがこれにあたります。

果たして多種多様な「シニア向け商品・サービス」が生産されるわけですが
(売り手が売りたいものを作るのは、それほど困難な作業ではないからです。)、
実際的には、思ったようなビジネス的な成果が得られていないのが現状のようです。

「作ったは良いが売れない」という現実。

私も多くの企業様の「シニア向け商品・サービス」に関わる機会を得ました。
うまくいく場合もありましたし、そうでない場合もあります。
様々な経験を得て、
シニア向けサービスを成功させるためには
クリアするべき必須条件があることに気付きました。

それは、
シニア向けビジネスの成功には、
「シニアライフをホリスティック理解する人」の視点が必須。ということです。

つまり、
人生の終盤にある人の状態をステレオタイプにまるっと捉えるのではなく、
身体的・社会的・感情的・哲学的に理解し
全方位的に配慮した振る舞いができる人を
シニア層とビジネス現役層との間に「翻訳者」として介在させ、
両者の隔たりを埋める作業を行なう過程を経ているかどうか。
これがビジネスの勝敗を別ける鍵なのです。

では、高齢者を身体的・社会的・感情的・哲学的に理解している職業とは?
そもそも、そんな職業があるのか?どこにいるのか?という疑問が湧いてきます。

残念ながら、そういった職業は今の日本にはまだ存在していません。

シニアマーケティングのプランナーやコンサルタントは登場していますが、
彼らはビジネスの視点から成功と失敗を探索し
成功率を高める方向性になんらかの示唆を与える職業です。
シニアの身体的な特徴を含めて全体的に理解し、
御社の提供できるサービスをシニア向けに最適化する人ではありません。

では医療介護社会福祉サービス業ではどうでしょう。
彼らは身体的・社会的なケアの専門家ではありますが、
ビジネス視点でのアドバイスを企業に行うというメソッドがあるかといえば
なかなか難しいところです。

超高齢社会にむけて登場が待たれる役割・職種であるはずの
シニアライフとビジネスをつなぐ専門職が空席なのです。

みなさんの経験の中にある成功したシニア向けサービスを鑑みても
シニア向けサービスの開発・運営にかかわるプロジェクトスタッフの中に、
シニアやケアの専門家ではないけれど、たまたま、
シニアの特徴をホリスティックに理解する資質を持った人がいたはずです。

しかし、その資質を持った人物を企業内で見つけ出すことは中々困難です。
ご本人が自覚していない場合もありますし、
人材をどう評価するのか、育成できるものなのか。。
考えると難しい問題です。

そこで、
シニアライフをホリスティックに理解し、
シニアの「本音」を引き出し、それを現役世代が分かる言葉に翻訳し、
御社のサービスをシニア向けに最適化するための助言ができる職務を
我々マーケティングの専門企業オフィスハナで誕生させた。
それが「シニアライフデコーダー」です。

世の中に登場したばかりの職種です!

シニアライフデコーダーを活用することで
御社のサービスがシニア向けに最適化されます。
最適化することで、シニアの人生に心地よい「コト・モノ」として
彼らの人生に受け入れていく=ビジネス的にも成功するという道筋ができます。

次回は、
「シニアライフをホリスティックに理解する」について
シニアデコーダーが解説いたします。
お楽しみに!!

シニアライフデコーダーについてのお問い合わせは
コチラ↓から承ります。
http://office-hana.info/inquery/